在留資格を申請して

不許可になった場合再申請はできる?

注意すべき点を事例とともにご紹介


在留資格の申請が不許可になった場合でも、多くの場合再申請は可能です。

しかし不許可になった理由を理解し、適切な申請をしなければ、許可を得ることはできません。

そこで今回は在留資格を申請して不許可になってしまった場合の、原因や対処法をご紹介します。

1) 不許可になった場合    

不許可になった際はまず在留資格の要件を再度確認して、提出した書類一式のコピー内容に問題がないか確認をしましょう。記入すべきことがきちんと記入されているか、添付書類なども提出されているかなど見落としはありませんか?もう一度よく確認しましょう。

そして不許可になった理由・原因を入国管理局に聞きに行きましょう。法定代理人や取次者話を聞くことができるので、可能でしたら一緒に入国管理局に行くことをおすすめします。ですが再申請ができるかどうかについては、担当者によっては教えていただけない場合もあります。


その際には下記の物を持参してください。

・不交付・不許可の通知書

・在留カード、パスポート、身分証明書

・申請書類一式


不許可の理由は1回しか聞くことができないので下記のポイントを押さえるようにしましょう。


●不許可になった原因

●原因となる申請書類の箇所

●どう改善するべきか

●再申請へのアドバイス

●他に気になる点はないか


面談では感情的にならず、冷静な態度を心がけるようにしましょう。弁解をしても申請の許可が下りることはありません。

2) 不許可になる原因

在留資格の申請をして不許可になった場合の原因として、


①ビザ申請の要件を充足していない

②入管法その他の法令違反がある

③必要な書類・資料を提出していない

④提出書類に矛盾がある

⑤以前に提出した資料と今回提出した資料に食い違いがある。

⑥虚偽の申請をしている

⑦在留状況が不良

⑧在留資格に見合う活動の立証が不十分


などが挙げられます。

次に実際にあった不許可事例をいくつかご紹介します。

3)実際の不許可事例

(事例1)

在留資格「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請を受け、コンピューター関連サービスを業務内容とする企業において、エンジニア業務に従事希望であった。申請人と同時に採用され、同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が月額18万円であることが判明したことから、報酬について日本人と同等額以上であるとは認められなかったもの。


(事例2)

専門学校のベンチャービジネス学科を卒業し、「技術・人文知識・国際業務」への変更申請。バイクの修理・改造、バイク関連の輸出入を業務内容とする企業において、バイクの修理・改造に関する業務に従事とのことだったが、具体的な職務内容は、フレームの修理やパンクしたタイヤの付け替え等であり、自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とするものとは認められない


 

(事例3)

専門学校の国際コミュニケーション学科で日本語の文法・通訳技法等を学び、「技術・人文知識・国際業務」への変更申請。新規開拓を計画中であるとする海外事業分野において通訳業務に従事とのことだが、申請人の成績証明書及び日本語能力を示す資料を求めたところ、日本語科目全般についての成績はすべてC判定(ABC の 3 段階評価の最低)でありその他日本語能力検定等日本語能力を示す資料の提出もないため不許可


参考:【留学生・「技術・人文知識・国際業務」への変更許可/不許可事例】 入国管理局 (H30.12改訂)

4) 再申請について

在留資格更新が不許可になった場合、在留期間内に解決できる問題であれば、再申請を行うことができます。再申請をする時に、押さえておきたいポイントは下記の通りです。


●同じ内容で申請しても許可は出ない

●安易に再申請をすると更に審査が厳しくなる可能性も

●原因解消のために不許可理由を聞きにいく

●行政書士などの専門家に相談する

 

再申請ができるからといって安易に再申請するのではなく、不許可になった原因を理解し改善を図りましょう。 再申請を行った時に以前と整合性が取れない内容がある場合は、変更した理由を説明する理由書をつける必要があります。ですが再申請のたびに内容が変わると、整合性を疑われ審査に影響が出てしまいます。

5) まとめ


今回は、在留資格の申請が不許可になった場合の対処法をお伝えしました。

許可が通るためにも、外国人が学校で学んだことと仕事内容があっているか、その仕事内容と在留資格があっているかの確認は企業側でも行うようにしましょう。

万が一、不許可になった時は一度専門家に相談することをおすすめします。当事務所でもご相談を承っております。


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houmu@mpken.jp