外国人雇用を考えているが、手続きの仕方や在留資格の種類、また受け入れた後の生活支援等どうしたら良いのか分からない方も多いと思います。そこで今回は外国人雇用をするときに知っておきたい組織とサービスについてご紹介していきます。
外国人技能実習機構【OTIT】は技能実習の適正な実施と技能実習生の保護を目的として設立されました。具体的には技能実習計画の認定や、監理団体・実習実施者に対する指導等を行っています。
〈実習実施者におすすめな点〉
外国人技能実習機構のホームページで、職種別の安全衛生対策マニュアルや手続きに必要な書類の様式をダウンロードすることが可能です。
〈技能実習生におすすめな点〉
技能実習生の相談に母国の言葉で対応することが可能です。対応可能な言語は、ベトナム語・中国語・インドネシア語・フィリピン語・英語・タイ語・カンボジア語・ミャンマー語です。言語によって対応日時が異なっているため、こちらからご確認ください。
さらには、技能習得に必要な日本語が学べるアプリ、入国の際に配られる「技能実習生手帳」をPDFやアプリとしてダウンロードできます。アプリでは災害情報などをリアルタイムに確認できる機能もありますので、是非ご活用ください。また、実習実施者の方はこれらのサービスを実習生に共有してください。
外国人技能実習機構ホームページ:https://www.otit.go.jp/
在留資格「技能実習とは」
出入国在留管理庁は日本に出入国する全ての人を管理している行政機関で、一般的に「入管」と呼ばれています。出入国審査や在留審査等の手続きから在留支援まで行っています。
〈雇用者におすすめな点〉
入管のホームページでは在留資格ごとに必要な手続きを確認することや、書類の様式をダウンロードすることができます。またオンライン申請についてや新型コロナウイルス感染症に関する入国・在留情報など、日々更新されています。外国人を雇用する際に必要な情報が網羅されていますので、こまめにチェックするようにしましょう。
出入国在留管理庁:https://www.moj.go.jp/isa/
〈外国人労働者におすすめな点〉
相談窓口
各地方出入国在留管理局・支局に相談窓口(外国人在留総合インフォメーションセンター等)を設置していて、電話や窓口、メールでのお問合せに多言語で対応しています。
対応言語 : 日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、フィリピノ語、 ネパール語、インドネシア語、タイ語、クメール(カンボジア)語、ミャンマー語、モンゴル語、フランス語、シンハラ語、ウルドゥ語
さらには地方公共団体の相談窓口と連携している相談センターもあり、そちらでは必要な入国管理手続等の行政手続、生活に関する相談及び情報提供をワンストップでする事が可能です。
外国人在留支援センター(FRESC)
外国人からの相談対応や、外国人を雇用したい企業や地方公共団体の支援などを行っています。入管や東京外国人雇用サービスセンター等に相談窓口があり、電話でも相談できます。また外国人向けの就職セミナーも開催していて、履歴書の書き方や面接の練習を行っています。
外国人在留支援センター:https://www.moj.go.jp/isa/support/fresc/fresc01.html
・「外国人生活支援ポータルサイト」
日本で安心して暮らすために必要な情報や、国からのお知らせを多言語で読む事ができるウェブサイトです。「生活・就労ガイドブック」にも情報がまとめられていますので、こちらからご確認ください。また支援者向けのやさしい日本語ガイドラインも掲載されています。国や地方公共団体が出す資料は日本人でさえも読解が難しいことがあります。そのような時には「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」を活用して、安心、納得して外国人に生活してもらえるような説明を心がけましょう。
外国人生活支援ポータルサイト:https://www.moj.go.jp/isa/support/portal/index.html
生活・就労ガイドブック:https://www.moj.go.jp/isa/guidebook_all.html
在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン:
https://www.moj.go.jp/isa/support/portal/plainjapanese_guideline.html#midashi02
ハローワークでは様々な就職活動支援、人材を採用したい事業主の方に対する採用サポートを無料で行っていて、外国人労働者の就職支援体制も整っています。
・外国人雇用サービスセンター
外国人雇用サービスセンターは、外国人留学生の方や専門的・技術的分野の在留資格を所持して仕事を探している外国人の方を支援する国(厚生労働省)の機関です。東京・名古屋・大阪・福岡の全国4か所にあります。
・留学生コーナー
留学生コーナーは全国21か所の新卒応援ハローワークに設置されていて、日本での就職を希望する外国人留学生の就職支援をおこなっています。
こちらから所在地等をご確認いただけます。
〈雇用者におすすめな点〉
留学生向けの求人票の書き方や、外国人材の就職支援事例といった情報提供を行っています。また、ハローワークに申し込んだ求人を全国の求職者の方に提供を行い、ご希望にあう方を紹介しています。賃金や就業時間といった労働条件についての相談も受け付けています。
〈留学生におすすめな点〉
外国人留学生を対象としたインターンシップを実施しています。春休みや夏休みの時期に、原則5日間実習が行われます。日本での働き方を知ることが出来る機会ですので、気になる方は参加してみてはいかがでしょうか。また、国際感覚をもった留学生と出会える機会でもあります。外国人雇用を考えている方もエントリーされてみてはいかがでしょうか。こちらから詳細をご確認いただけます。
外国人雇用センター:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12638.html
画像:https://www.mhlw.go.jp/index.html
厚生労働省は外国人雇用対策として、外国人支援や事業主支援も行っています。先ほどご紹介した外国人雇用サービスも、外国人支援の一環として厚生労働省が運営しているものです。ここでは厚生労働省の行っている事業主支援について詳しくご紹介します。
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/index.html
・外国人管理雇用アドバイザー
外国人労働者の雇用管理の改善や職業生活上の問題などについて、外国人雇用管理アドバイザーが、専門的な知識や経験をもとに相談や指導を行っています。年々増加している外国人労働者の適切な雇用管理・労働条件の確保を行うため、各都道府県に外国人管理雇用アドバイザーを設置しています。
外国人管理雇用アドバイザーを受けるには、お近くのハローワークにご相談ください。また相談料は無料となっています。こちらからご確認ください。
・人材確保等支援助成金
この助成金は、外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行い、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して、その経費の一部を助成するものです。
【主な支給条件】
1.外国人労働者を雇用している事業主であること
2.認定を受けた就労環境整備計画に基づき、外国人労働者に対する就労環境整備措置(1及び2の措
置に加え、3~5のいずれかを選択)を新たに導入し、外国人労働者に対して実施すること
ⅰ雇用労務責任者の選任
ⅱ就業規則等の社内規定の多言語化
ⅲ苦情・相談体制の整備
ⅳ一時帰国のための休暇制度の整備
ⅴ社内マニュアル・標識類等の多言語化
3.就労環境整備計画期間終了後の一定期間経過後における外国人労働者の離職率が10%以下であること
【対象となる経費】
① 通訳費 ② 翻訳機器導入費(上限10万円) ③ 翻訳料 ④ 弁護士、社会保険労務士等への委託料 (外国人労働者の就労環境整備措置に要する委託料に限る) ⑤ 社内標識類の設置・改修費(多言語の標識類に限る)
【支給額】
詳しくはこちらのリーフレットとガイドブックをお読みください。
また、こちらのページでも助成金についてご紹介しております。併せてお読みください。
・例文、用語集
労働条件等を外国人労働者に伝えるには、分かりやすい日本語を使うことはもちろん、日本特有の文化や習慣のギャップを踏まえながら説明してあげると良いでしょう。そこで、厚生労働省では「やさしい日本語」による説明等の例文を紹介しています。
「外国人社員と働く職場の労務管理に使えるポイント・例文集~日本人社員、外国人社員ともに働きやすい職場をつくるために~」
そして、人事・労務の場面でよく使用する労働関係、社会保険関係の用語約420語について、定義と例文を検索することのできる用語集もございます。こちらは「やさしい日本語」のほか、9言語(英語・韓国語・中国語・タガログ語・ベトナム語・ネパール語・ポルトガル語・スペイン語)に対応しています。
以上、外国人を雇用する際に知っておきたい組織や機関をご紹介しました。
外国人就労者の増加に伴い、外国人就労者だけでなく雇用者にとっての支援機関も様々なものがあります。もし外国人雇用に関することでお悩みの方がいらっしゃいましたら、今回ご紹介した機関等のサービスを是非ご活用ください。
また、当事務所でもご相談を受け付けております。
houmu@mpken.jp までお問合せください。