アルバイトと正社員では雇用できる在留資格が変わっていきます。
まずはアルバイトとして雇用できる在留資格からご紹介していきます。
本来「留学」の在留資格を持っているだけでは働くことは認められません。ですが、「資格外活動許可」を受けた場合には1週につき28時間以内(長期休業期間(夏休み等)については1日8時間以内)のアルバイトが認められます(風俗営業店舗等を除く)。「資格外活動許可」の有無については在留カード裏面の「資格外活動許可欄」で確認できます。従事できる業務に制限はありません。
在留資格「留学」について詳しく知りたい方はこちらをお読みください。
「家族滞在」の場合も同様に、「資格外活動許可」を受けた人のみ1週28時間以内の労働が認められています。従事できる業務にも制限はありません。
在留資格「家族滞在」についてはこちらで詳しくご紹介しております。
「技能」とは日本にはない産業分野や、日本よりレベルの高い産業分野等で、熟練した技能を持つ外国人を日本に招くことができる在留資格です。従事できる業務は調理のみで、ホールの業務は認められていません。高度な技能が必要となる専門性の高いビザですので、日本食の調理師としては雇用できません。また、調理師としての実務経験が10年以上ないと、許可がおりません。
2019年に日本の大学又は大学院を卒業、修了した留学生の就職支援を目的に、高い日本語能力を活用することを要件として幅広い業務に従事することが認められるようになりました。それが「特定活動46号」です。
高い日本語能力とは、ただ指示を理解し作業をするだけでなく「翻訳・通訳」の要素がある業務や、他者との意思疎通が円滑にできる能力が求められます。この制度においては、飲食店に採用店舗管理業務や通訳を兼ねた接客業務を行うこと(日本人に対する接客を行うことも可能)が認められています。よって厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することは認められていません。
対象者は、日本の大学・大学院の課程を修了し学位を授与された方で日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有する方(「日本語」を専攻して大学を卒業した場合は満たすものとする)が対象です。
参考:出入国在留管理庁
特定技能制度は、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。12の特定産業分野のうち外食分野の特定技能外国人であれば、飲食店での一通りの業務に従事することができます。ビザを取得するためには、日本語能力試験と衛生管理、飲食物調理、接客全般の知識が求められる「外食業技能測定試験」に合格しなければなりません。
雇用にあたって、企業が外国人の住居を提供するなどの生活支援を行う必要があります。また在留期限が最長5年と決まっているので、続けて雇用したい場合は、他の在留資格に変更する必要があります。
「特定技能」についてはこちらでもご紹介しております。
飲食業で在留資格「技術・人文・国際業務」を持った外国人を雇用することは難しいと言われています。ですが、多店舗運営する本社スタッフや会社のマネージャーとして雇用できる場合があります。
「技術・人文・国際業務」について知りたい方は、こちらをご確認ください。
定住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等
これらの在留資格は活動制限がないので、単純労働を目的とした雇用も可能です。
飲食店において外国人を雇用する際には、以下のポイントに注意しましょう。
必ず雇用する前に在留カードを提示してもらい、在留資格の確認をしましょう。日本での就労が認められていない外国人を雇用してしまうと、「不法就労助長罪」に問われます。
在留資格の確認方法はこちらで詳しくご紹介しております。
採用後、想像以上に日本語ができない場合もあるでしょう。また接客においては、日本語以外にも身だしなみやマナーなどが求められます。これらをマニュアル化し、店全体で共有することでトラブルを減らすことができるでしょう。日本語の表現は曖昧なものが多く、外国人には理解が難しいことが多々あります。きちんと理解してもらえるようにも、内容を省略しない的確な指示を心がけましょう。また日本人スタッフにも外国人スタッフを迎えるにあたって、文化や価値観の違いなどを説明しておきましょう。
ここではアルバイトで雇用する場合と、正社員で雇用する場合2つにわけてご紹介します。
①募集
SNSを活用したり、日本語学校と提携したりするなど様々な集客方法が挙げられます。
自社にあった募集方法を検討しましょう。
⇓
②選考~雇用
ある程度、人数が集まったら日本人を採用するのと同じように書類選考や面接を行います。
不法就労助長罪に問われないよう、在留資格の確認も怠らないようにしましょう。必ずパスポートと在留カードで本人確認をしてください。
在留資格の確認方法はこちらのページでご紹介しています。
そして、「労働条件通知書」を兼ねた雇用契約書を作成します。契約内容を十分理解できるように分かりやすい日本語のものや、母国語で表記したものを準備しましょう。厚生労働省が英語や中国語、ベトナム語等8か国語を併記した「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」を公開しているので、是非ご活用ください。そして、制度や文化の違いによってトラブルが発生しないように十分な説明を行うように心がけましょう。また、留学生の場合には原則「週28時間以内」という制限がありますので、労働時間には注意を払いましょう。アルバイトを掛け持ちしている場合には、掛け持ち先のアルバイトと合わせた時間で判断されますので、他にアルバイトをしているかどうかの確認もする必要があります。
⇓
③在留資格申請
〈国内在住者を雇用する場合〉
基本的に「在留資格変更許可申請」、もしくは「在留期間更新許可申請」を出入国在留管理庁へ行うケースが多いです。各申請の提出書類などは出入国在留管理庁のウェブサイトを
ご確認ください。
〈国外から呼び寄せる場合〉
「在留資格認定証明書交付申請」を実施しなければなりません。
交付された後は、外国人求職者に郵送し、在外日本国大使館にてビザ申請を行いましょう。
詳細は、出入国在留管理庁のウェブサイトをご確認ください。
⇓
④外国人の受け入れ
採用後にはハローワークへ「外国人雇用状況の届出」が必要となります。不法就労防止の観点から、外国人の雇い入れの際にはその氏名、在留資格などをハローワークへの届出が求められます。また、離職時も同様に届出が必要となります。注意事項等については下記のページからお確かめください。
※雇用保険の被保険者となる外国人の場合には「雇用保険被保険者資格取得届」に
「国籍・地域」や「在留資格」などを記入して提出することによって、
外国人雇用状況の雇入れの届出を行ったことになります。
①募集
SNSを活用したり、日本語学校と提携したりするなど様々な集客方法が挙げられます。
自社にあった募集方法を検討しましょう。
⇓
②選考~雇用
ある程度、人数が集まったら日本人を採用するのと同じように書類選考や面接を行います。
不法就労助長罪に問われないよう、在留資格の確認も怠らないようにしましょう。
必ずパスポートと在留カードで本人確認をしてください。
在留資格の確認方法はこちらのページでご紹介しています。
そして内定を出したら労働契約を締結します。
採用後のトラブルを防ぐためにも雇用契約書は
外国人本人が理解できる言語で作成することを推奨します。
厚生労働省が英語や中国語、ベトナム語等8か国語を併記した
「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」を公開しているので、是非ご活用ください。
⇓
③在留資格申請
原則として外国人本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理局で
外国人本人が申請をします。
(ⅰ)留学生の外国人を新卒で採用する場合
留学ビザから就労ビザへの在留資格変更許可申請を行うのが一般的です。
(ⅱ)日本にいる外国人を中途採用する場合(転職前と別職種での採用)
仕事内容・職種に該当する新しい在留資格へ変更するための手続き
「在留資格変更許可申請」を行います。
(ⅲ)既に日本にいる外国人を中途採用する場合(転職前と同職種での採用)
基本的にはビザ申請を行う必要はありませんが、採用する外国人が次回ビザを更新する際には新たに転職先の企業に関する関係書類を提出し、「在留期間更新許可申請」をすることになります。
(ⅳ)外国人を海外現地から採用して日本で雇用する場合
内定後すぐに企業が「在留資格認定証明書」を申請して、海外にいる求職者へ送付します。そして求職者本人が現地の日本大使館へ就労ビザを申請します。この「在留資格認定証明書」は発行から3か月以内に日本へ入国しなければ無効になってしまうので、注意が必要です。
⇓
④外国人の受け入れ
◎採用後にはハローワークへ「外国人雇用状況の届出」が必要となります。
不法就労防止の観点から、外国人の雇い入れの際にはその氏名、
在留資格などをハローワークへの届出が求められます。
また、離職時も同様に届出が必要となります。
注意事項等については下記のページからお確かめください。
※雇用保険の被保険者となる外国人の場合には
「雇用保険被保険者資格取得届」に「国籍・地域」や「在留資格」などを
記入して提出することによって、外国人雇用状況の雇入れの届出を行ったことになります。
◎また、外国人が転職した場合に外国人本人が
「所属(契約)機関に関する届出」をする必要がありますが、
この届出を知らないという場合が多々あります。
この届出を怠ってしまうと次回のビザ更新に悪影響があるので、
中途採用した場合にはこの届出について指導しましょう。
◎雇用保険、健康保険、厚生年金加入の手続き
労働に関する法律は外国人にも適用され、
要件を満たす場合には雇用保険に加入する必要があります。
要件や手続き方法については、こちらのページでご紹介しています。
また、日本人の従業員に行う手続きと同じで
非保険者資格取得届を日本年金機構へ提出します。
今回は飲食店における外国人の受け入れについてご紹介しました。
もし外国人を受け入れる際には、今回ご紹介した事に注意して受け入れるようにしましょう。