就労ビザについて
1) 就労ビザとは
「就労ビザ」は、日本における就労を目的とした在留資格の通称です。
外国人本人や就労先企業などが日本の入管で手続きを行い、得ることが出来る滞在許可であり、法務省によって発行されています。
具体的に以下の19種類が「就労ビザ」と呼ばれています。
・外交
・公用
・教授
・芸術
・宗教
・報道
・高度専門職
・経営・管理
・法律・会計業務
・医療
・研究
・教育
・技術・人文知識・国際業務
・企業内転勤
・介護
・興行
・技能
・特定技能
・技能実習
2) 就労ビザの種類
就労ビザは全部で19種類ありますが、日本で外国人を雇用する場合、ほとんどが下記の就労ビザ(在留資格)を取得することになります。
それぞれの就労ビザについて簡単に紹介します。
①経営・管理
外国人が日本で会社を設立して経営したり、管理職の立場で仕事をするための在留資格です。
日本国内で適法に行われる事業であれば、業種や業態に制限はありません。飲食店や貿易会社、不動産業など幅広い業種で認められていますが、事業の安定性・継続性を立証できるだけの内容が必要となります。
②技術・人文知識・国際業務
外国人が日本の企業などで働く場合に、最も多い在留資格が「技術・人文知識・国際業務」です。それぞれの頭文字を取って、「技人国(ギジンコク)」とも呼ばれます。
大卒程度や実務経験を積んだ外国人が、日本の会社に就職する際に取得できます。
学歴(職歴)と業務内容が密接に関連していることが要件で、専門的な知識やスキル、感受性を活かせる業務内容ではない場合、基本的にこの在留資格は取得できません。
技術・人文知識・国際業務の主な業務内容を紹介します。
※要件などの詳細は、こちらをご覧ください。
・技術
「理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術を要する業務」とされています。
下記が業務内容の例です。
・機械工学の技術者
・システムエンジニア
・プログラマー
・情報セキュリティーの技術者 など
・人文知識
「法律学、経済学、社会学等、その他人文科学の分野に関する知識を要する業務」とされています。
下記が業務内容の例です。
・企画事務(マーケティング、広報、宣伝)
・営業
・経理
・人事
・法務
・総務
・コンサルティング
・商品開発 など
・国際業務
「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」つまり、「語学力や外国の文化、国際経験等を要する業務」とされています。
下記が業務内容の例です。
・通訳
・翻訳
・デザイナー
・貿易
・語学講師(語学学校など)
③企業内転勤
外国人従業員を海外事業所に在籍させたまま、日本にある本店や支店に一定期間転勤させる場合に必要な在留資格です。
「企業内転勤」で認められている業務は、上記で説明した在留資格「技術・人文知識・国際業務」の業務と同じです。「技術・人文知識・国際業務」との違いとしては、学歴に関係なく企業の発展のために、優秀な人材を日本に呼ぶことが出来ることです。
④介護
外国人が日本で介護職として働くための在留資格です。
日本の介護福祉士養成校を卒業し、原則、介護福祉士の資格を持っている人が対象です。
介護分野で働くことができる在留資格は他にも3種類ありますが、介護福祉士の資格を持っているのは介護ビザのみです。
⑤技能
日本にはない産業分野や、日本よりレベルの高い産業分野等で、熟練した技能を持つ外国人を日本に招くことができる在留資格です。
代表的なものとしては、料理人があげられます。その他、パイロットやソムリエ、スポーツトレーナーなど、必要な実務経験年数がある場合に認められます。
⑥特定技能
日本の深刻な人手不足に対応するため、日本で働きたい外国人を採用し、即戦力となる労働者を受け入れるため、2019年に新設された在留資格です。
特定技能で就労が可能な業種は、14種類の「特定産業分野」に限られています。
(どの産業分野が特定産業分野に該当するかは法務省令によって規定されています。)
また、特定技能には下記の2種類があります。
※要件などの詳細は、こちらをご覧ください。
・特定技能1号
日本で特定技能として就労を希望する外国人は、まず特定技能1号を取得することになります。
特定技能1号は「特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」とされています。
以下の12業種で就労が可能です。
・介護
・ビルクリーニング
・素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野
・建設
・造船・舶用工業
・自動車整備
・航空
・宿泊
・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業
・特定技能2号
特定技能2号は「特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」です。
以下の2業種のみで就労が可能です。
・建設
・造船・舶用工業
➡「特定技能について」
3) まとめ
今回は就労ビザの種類についてご紹介しました。
外国人を雇用をする場合、業務内容が日本で定められている就労ビザの内容にマッチする活動であるかどうかを確認することが必要です。外国人材の採用が出来ても、就労ビザが取得出来なければ日本での就労は認められません。
外国人を受け入れる際には、就労ビザの条件に合う人材の採用や、必要に応じた就労ビザの手続きを行いましょう。
就労ビザの取得方法についてはこちらの記事でご紹介しております。併せてご確認ください。